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「オスグッド」と似た症状の病気

オスグット病に類似した病状 No Comments

スポーツ障害ともいわれるオスグット病には、よく似た症状を発症する疾病が多くあります。

類似する疾患のひとつに「シンスプリント」という病があります。

このシンスプリントはオスグッド同様に10代の成長期の子供に多く発症する病気で、痛みの発症部位に関しても、「膝の下部」が痛むという部位までも似ているのです。

診断と方法は、オスグッドよりやや下部の脛の内側部分に圧痛があるか否かをチェックして判断しますが、素人目には判別しづらいです。

“シンスプリントに関する解説
下腿内側に位置する脛骨の下方1/3に痛みが発生します。
骨折した時のような激しい痛みはなく、鈍痛なのが特徴です。

脛骨過労性骨膜炎ともいいます。基本的に体を動かすどの運動において、十分な筋力の整っていないうちからいきなり激しい運動をした際に起こりやすいです。マラソン選手や陸上競技のランナーなどには特に起こりやすい病です。”

次に「オーバーユース」です。
オーバーユースとは、使いすぎによって患部に炎症症状を引き起こします。“オーバーユースシンドローム”として有名です。(日本では使いすぎ症候群といわれています)

練習熱心な子供に多く発症する傾向にあります。トップアスリートの大半はこのオーバーユースを一度は体験しているみたいです。

子供の場合は特に自分で運動制限を加えることは難しいです。
ある程度症状が進行してから膝や足関節、股関節の障害を確認するケースが多々あります。

またオスグッド病の場合は、運動をある程度は行える状態が続き、ある日突然歩けなくなるような痛みにまで進展していることに気づくケースがあります。

オーバーユースシンドロームの治療の基本は安静ですが、使いすぎ症候群に陥る前の治療やストレッチなどによる予防がやはり大切です。
また「膝離断性骨軟骨炎」も類似する疾患のひとつです。

もっとも発症しやすいのは10代ですが(=男性)、
小児や高齢者にも発症する可能性があります。

幅跳びやや走り高跳びなど跳躍をメインとするスポーツに多く見られます。

また顕著な症状として、膝の屈伸時に一定の角度を超えてしまった時、ロッキングという症状を引き起こすのです。(※ロッキング…膝をピンと伸ばすことができなくなる症状をいいます)

痛みに関しては、一般的に軽いといわれていますが、そのまま放っておくと、膝の関節面から骨軟骨片が遊離し、関節炎を発症する場合があります。

治療法はオスグット病同様、速やかに安静を保つ・膝を固定し、あまり動かさない、そして症状を観察経過することが大切です。

膝離断性骨軟骨炎

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スポーツ障害ともいわれるオスグット病には、よく似た症状を発症する疾病が多くあります。

そうした疾病の1つに、膝離断性骨軟骨炎があります。

膝離断性骨軟骨炎が最も発症しやすいのは10代ですが(=男性)、小児や高齢者にも発症する可能性があります。

そして膝離断性骨軟骨炎は、幅跳びや走り高跳びなど跳躍をメインとするスポーツに多く見られます。

また膝離断性骨軟骨炎の顕著な症状として、膝の屈伸時に一定の角度を超えてしまった時、ロッキングという症状を引き起こします。
(※ロッキング…膝をピンと伸ばすことができなくなる症状)

痛みに関しては、一般的に軽いといわれていますが…そのまま放っておくと、膝の関節面から骨軟骨片が遊離し、関節炎を発症する場合もあります。

膝離断性骨軟骨炎の治療はオスグット病同様、速やかに安静を保つ/膝を固定し、あまり動かさない→そして、症状を観察経過しなければなりません。
ちなみに膝離断性骨軟骨炎と同じように、肘離断性骨軟骨炎もスポーツ障害としてよく見られる症状の1つとして挙げられます。
(肘離断性骨軟骨炎と同じような症状として、上腕骨外側上顆炎/上腕骨内側上顆炎があります。)

肘離断性骨軟骨炎は、野球・ゴルフ・テニスといった肘を酷使するスポーツに多く見られます。

オスグット病とジャンパーズ・ニー&タナ障害(豆知識)

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膝に関わる症状は、本当にたくさんあります。その最たる例が、オスグット病ではないでしょうか。オスグット病は、「競技を上達したい!」という子どもたちの熱意が入り過ぎてオーバーユース症候群になる=膝下部分の痛みを生じる症状です。

このオスグット病と大変よく似ている症状があります。それがシンディング・ラルセン・ヨハンセン病です。シンディング・ラルセン・ヨハンセン病…確かに、あまり聞きなれない病名だと思います。シンディング・ラルセン・ヨハンセン病はオスグット病同様、10代前半から成長期にかけて発症します。そして、オスグット病と同じ部位=膝蓋骨(しつがいこつ:膝のお皿の骨)の下縁部に痛みが生じます。また、シンディング・ラルセン・ヨハンセン病の発症理由も本当によく似ています。

○成長期における子どもたちの骨は軟骨状=まだ柔らかく状態で、成長するに従って大人の骨(硬い骨)へなっていきます。しかし、これから大人の骨になろうとしている時期、あまりにも激しい運動を続けることで、膝の回りの筋肉を繰り返し・繰り返し引っ張り続けると…骨と靭帯のひっついている部分に小さな亀裂が生じ始めます(骨の表面に出来る小さなヒビ)。当然、子どもたちの骨はそのヒビを修復するため、新しい細胞をドンドン作り出します。しかし骨のヒビを修復しているにも拘わらず、練習を繰り返す…そうすると、修復しかけた骨の表面に、またヒビが入ります。骨のヒビ=骨折です…当然、痛みを生じます。

これがシンディング・ラルセン・ヨハンセン病なのです。痛みの部分は膝の少し下…本当にオスグット病の痛み部位と同じなのです。ただしオスグット病と比べて、発症例はごく限られています。

シンディング・ラルセン・ヨハンセン病の痛みの症状として…
床に膝をつけて体重を掛けると痛む・階段の昇降/ジャンプする/屈伸運動/ダッシュする/ボールを蹴る等々…症状が悪化すると、じっとしているだけでもズキズキ痛みを生じます。
またシンディング・ラルセン・ヨハンセン病の治療方法も、多岐にわたって行われています。軽症の場合、マッサージ・関節運動などのストレッチが主な治療方法になります。そして、その他の治療方法として、温熱療法・低周波電気治療・光線療法・超音波療法・鍼灸等々…これらの治療方法を、症状に応じて組み合わせていきます。シンディング・ラルセン・ヨハンセン病は、オスグット病より治療期間を要する傾向にあります。根気よく治療に専念することが、治癒への近道です。

オスグット病とセーバー病(豆知識)

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オスグット病は、子どもたちの運動のし過ぎで膝の痛みを伴う症状です。そしてオスグット病と同様、10~16歳(頃)、運動のし過ぎによって踵(かかと)の痛みを発症…この症状を、セーバー病[踵骨骨端炎(しょうこつこったんえん)]と言います。
セーバー病は骨端症の1つです[骨端症=子どもたちの成長期になると、骨の端はドンドン伸びていきます(骨端核)。その骨端核が運動をし過ぎることで(外からの圧力)、血行障害による痛みを引き起こす症状です]

セーバー病もオスグット病の膝の痛みと同様に、発育途中の踵の骨に繰り返し圧力(運動のし過ぎ)が加わることで、痛みを発症します。そして、セーバー病の症状も個人個人で違います…歩く/ランニングをすると踵が痛む・靴を履くとき、踵が痛む・足首を動かすだけで痛みを生じる・ひどい症状になると踵を触れるだけで激痛が走る等々、いろいろな症状があります。
次に、踵の痛む部分を具体的に示してみます。ちょうどアキレス腱の真後ろが、痛みの根源になります。そして痛みが酷くなるにつれて、内側~外側・足全体に広がっていきます。
セーバー病も成長痛の1つとして捉えられているようですが、実際は定かではありません(スポーツ障害)。(もしセーバー病を成長痛と決めつけてしまえば、症状の悪化した時、治療に苦慮するはずです)

次にセーバー病の治療方法として、オスグット病と同じようにストレッチが有効です(軽症の場合)。ただし踵部分のストレッチであるため、単にアキレス腱を伸ばせば痛みがマシになるわけではありません(接骨院/整骨院では患部に電気を当てる、温熱療法をすることで踵の患部の痛みをゆっくり治癒する方法を取っています)。

とにかく基本的治療方法として…運動量を減らす(もしくは痛みが引くまで完全休養)・運動した後、患部を冷やす・患部の原因となる筋肉のストレッチ…(軽症の場合)この3点を守ることが絶対条件となります。また患部を付着するサポーター(バンド)・テーピングを回避し、足底板(靴の中敷)を使うだけでも、足全体にかかる負担が大きく軽減されます(足底板=指の付け根から土踏まずの後ろまであるものがベスト)。オスグット病の膝・セーバー病の踵…人間の重心は、すべて足に負担が掛かります。その負担を和らげるために、日々の生活の中でもストレッチを行うことで、各関節の柔軟性を保つ努力が必要だと思います。

オスグット病とオーバーユース(豆知識)

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オーバーユース(Overuse)…日本語で「使い過ぎ」という意味を表します。
スポーツを一生懸命することは、非常に素晴らしいことだと思います。しかし一生懸命し過ぎてしまい、どうしても身体の一部を酷使する=歪みが生じてくるのも事実です。
確かにスポーツをする上で、外傷という怪我は付き物ものかもしれません。そして、外傷以上に怖い怪我…それがオーバーユース症候群による慢性的な内なる痛みです。
オーバーユース症候群の代表的な疾患…それはオスグット病ではないでしょうか。オスグット病を語る前に、言わなければならないことがあります。それは「子どもたちは、決して大人のミニチュアではない!」ということです。

どんなスポーツの練習をするにしても、ダッシュ・(屈伸運動からの)ジャンプを含まないものはありません。そして大人と同じような練習をすれば、どうしても子どもたちの身体に、何らかの異常をきたしてしまいます。その異常をきたしてしまう最も多い部位=膝の痛みなのです。つまり、オスグット病はどんなスポーツをしても、発症しうる症状なのです。本来、子どもたちの身体は大人の身体と比較して、柔軟だと言えます(最近の子どもたちの中には、身体の硬い子も増えてきましたが)。言い換えれば、各関節を安定させる役割を担う靭帯が、未発達(十分な強度を持っていない)であることも意味します。そのため、必要以上に大きな動きを膝関節に与える⇒膝に過度な負担を強いられる⇒オーバーユース症候群によるオスグット病を発症するわけです。では、オーバーユース症候群から引き起こされるものとして、他にどんな症状があるのでしょう。

・疲労骨折…剣道をする人の上腕部・ゴルファーの肋骨等々も、よく疲労骨折が見受けられます。
・野球肘/テニス肘…野球ならボールを投げる時の肘の動き・テニスならボールを打ち返す時の肘の動きに痛みを生じる症状を言います。

他にも、シンスプリント・靱帯損傷・肉離れ・アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎等々…様々な関節部分で、オーバーユース症候群の歪みが生じています。ちなみに、オーバーユース症候群の痛みはレントゲン・MRIでは確認されない場合もあります。つまり、検査上ではまったく正常なのです。しかし、「痛みは生じる」…このような場合、接骨院/整骨院で治療を受ける必要があります。接骨院/整骨院であれば、プロの施術者の手技で痛みの部位を探し当て、しっかり治癒してくれるからです(レントゲン・MRIで正常なら、症状も軽症)。
いずれにしても、スポーツを愛しているが故に身体を壊してしまっては何の意味もありません。オーバーユース症候群にならない程度に、しっかりとした練習を行うことが重要です。

オスグット病とシンスプリント(豆知識)

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子どもたちがスポーツ時、膝の痛みを発症するオスグット病。このオスグット病とよく似た症状を引き起こす病気があります。その病名…シンスプリントです。
シンスプリント…別名:過労性脛部痛・脛骨疲労性骨膜炎とも呼ばれています。シンスプリントはオスグット病と違い、成人に多く発症します。陸上競技選手、特にマラソンランナーの大半はシンスプリントを発症していると言われています。そういう意味において、オーバーユース症候群(使い過ぎ)であるとことは間違いありません。
シンスプリントの症状として運動している最中・運動後に、太腿の内側が慢性的な痛みに襲われます。つまり太腿の内側の骨に刺激が加わることで、地面を蹴り上げる筋肉(足首・足の親指)が下腿骨の骨膜を引っ張り炎症が起こると考えられています。そして、すべての症状に当てはまることですが、早期治療・絶対安静を施せば大事に至りません。

しかし万が一、痛みを我慢して練習を続けていると疲労骨折と診断されて…その結果、長期間にわたり練習を断念せざるを得なくなります(シンスプリントを発症しても「練習には差し支えありません」という治療院もあるそうですが、痛みに合わせて練習をセーブすることは非常に難しいことだと思います。軽症だから「大丈夫!」ではなく、軽症だからこそじっくり治すことに意義があると思います)。

シンスプリントを誘因として、次のことが挙げられます。
・練習過多…どうしてもオーバーユース気味になり、シンスプリントになる危険を伴います。
 まず練習方法を改めて考えてみるべきだと思います。
・走る場所…土の上で練習するのであれば、シンスプリントの誘因はかなり回避されます。
 しかし、現状を考えると舗装された道路を走ることが多くなり…
・装備…陸上競技をする選手にとって、靴は非常に重要な役割を担っています。
 ソールとヒールがしっかりしているもの・全体的に柔軟性のあるもの、
 そして靴底が減りすれば、こまめに変えなくてはなりません。
・基礎体力&身体的特徴…基礎体力とは筋力バランス・筋力の持久力・筋肉の柔軟性…
 この3要素の低下も、シンスプリントを引き起こす可能性を含んでいます。
 それと身体的特徴として、偏平足の選手はシンスプリントになりやすいと言われています。
(シドニーオリンピックの女子マラソン金メダリスト:キューちゃんこと高橋尚子さんは、
 偏平足だったそうです)

オスグット病でもシンスプリントでも言えること…それは、いかにオーバーユース症候群にならない練習を心掛けるかということです。それをしっかりわきまえた上で練習をすれば、より早く競技も上達し、より楽しい競技人生も送ることができます。

オスグット病と成長痛(豆知識)

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みなさんも、成長痛という言葉を耳にしたことがあると思います。この成長痛、実は病名でも何でもありません。成長痛の正式名は、骨端症(こったんしょう)と言います。

骨端症…その病名通り、骨の端(かかと・膝)が痛くなる症状を指します。
子どもたちの成長期に、よく「骨がきしむ」という感覚的な言葉を聞くことがあると思います。つまり骨の成長に対して、筋肉の成長が追いつかなかった・スポーツなどによって各関節に負荷がかかり過ぎたことによって、成長痛を発症します。この時期を成長期と言います(骨端症は成長痛と呼ばせていただきます)。

ここでよく取り沙汰されることとして、オスグット病と成長痛の関連性が挙げられます。
オスグット病は、子どもたちの成長期に発症する膝の痛みです。そして成長期が終わる頃に、オスグット病もほとんど軽減されると言われています。オスグット病の発症時期がちょうど子どもたちの成長期に当たるため、オスグット病は成長痛の1つにくくられている感がします。
では実際のところ、本当にオスグット病と成長痛には深い関連性があるのでしょうか。
(個人的見解を含めて)関連性は、非常に薄いと思います。「オスグット病の原因」で少し触れましたが、成長期はすべての子どもたちにあります。しかし、オスグット病はすべての子どもたちが発症するわけではありません。そして主に男の子が発症し、女の子は発症しにくいのです。
確かに「膝痛」という部分に関して共有していますが、それは偶然だと思います。事実、オスグット病の原因は明確に解明されていますが、成長痛に関しては未だ不透明な状態であるからです。
ここで、実際に非常に怖い成長痛の病気を明記してみます。
○キーンベック病…手首が腐ってしまう病気
○ベルテス病…大腿骨頭(股関節)が腐ってしまう病気
○第二ケーラー病…足指の根本が腐ってしまう病気

実際、オスグット病を「成長痛の一種」と捉えている治療院もあります。どちらにせよ、オスグット病に限らず様々な成長痛を発症した場合、早期発見・早期治療が重要であることは間違いありません。
子どもたちにとって、それらの病状は「たまたま。今日は痛いだけ」と感じるだけかもしれません。そんな症状をいち早くチェックするのが、スポーツを教えている立場の指導者(監督・コーチ)であり、ご両親なのです。オスグット病と成長痛の関連性…ある程度、ご理解いただけたでしょうか(症状は似ていても、異なるものです)。