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オスグット病とは

みなさんは、オスグット病という病気をご存知でしょうか。多分、あまり病名自体はあまり知られていないと思います。
オスグット病…正式名称は「オスグット・シュラッター病(症候群)」と言います。
1903年、ボストンの整形外科医であったロバート・ベイリー・オスグット・チューリッヒの外科医カール・シュラッターが、時を同じく別々に発表したことから、名付け慣れた病名なのです。一般的に、オスグット・シュラッター病は小学校高学年から中学生…特に、運動することが大好きなスポーツ少年少女たちに発症する病気です。実は子どもの頃、私自身も経験があるのですが、膝の下部分(お皿)が膨れてしまい、走る・踏ん張る・ジャンプするといった行動をする際、かなり強い痛みを生じていました(オスグット・シュラッター病だったのかどうかは、わかりませんが)。

よく「成長期になると膝がきしむ」と言いますが、オスグット・シュラッター病は異質の症状だと言えます。オスグット・シュラッター病の問題点は大腿四頭筋の前面部分、つまり太腿の筋肉緊張から痛みが発症することです。

大腿四頭筋は4つの筋肉群から構成されています…大腿直筋・外側広筋・中間広筋・内側広筋…
この4つの筋肉群は、すべて膝蓋骨(しつがいこつ)に付着しています。また膝蓋靭帯(しつがいじんたい)を通して、脛骨粗面(けいこつ)に付着しています。(膝蓋骨=三角形の骨で、大腿骨に繋がっています。膝の前面を保護していることから、膝の皿とも呼ばれています)。つまり「膝の下部分(お皿)が膨らむ」=脛骨粗面が膨らんでしまうことを意味します。

では何故、脛骨粗面が膨らむとちょっとした運動をする時でも、強い痛みを生じるようになるのでしょう。

大腿四頭筋は膝の柔軟性=膝を伸縮させる筋肉です。もちろん、思い切りジャンプする・ダッシュする時に使われる筋肉です。また、逆の動きとしてブレーキ・クッション(急に動きを止める等々)の役割も担っています。また大腿四頭筋は、人間の歩行姿勢=立っている状態の時、膝が曲がらないように伸ばす役割も果たしています。このように大腿四頭筋はスポーツに限らず日常生活において、常に働き続けている筋肉だと言えます。その大腿四頭筋が付着している脛骨粗面…当然、負担も大きくなります。そして筋肉が収縮する時(膝を急激に強く曲げる)、膝蓋靭帯が引っ張られる=脛骨粗面に過負荷がかかる…つまり、過負荷が痛みに繋がってしまうのです。これが、オスグット・シュラッター病なのです。

膝を曲げると痛い・正座が出来ない・走る/ジャンプが出来ない・体重をかけるだけで痛い・階段の昇降が出来ない・膝を触るだけで激痛が走る等々…オスグット・シュラッター病が酷くなると、松葉杖をしないと歩けなくなる場合も…みなさんも子どもの頃を思い出してみてください。膝のお皿部分が、痛くなったことがありませんでしたか。