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オスグット病の歴史、そして診断方法

オスグット・シュラッター病…この病気が始めて世間に公表されたのが1903年、今から100年以上も前のことです。ちょうど医療としてレントゲン写真が使われ始め、様々な骨の症状を研究していている最中、オスグット・シュラッター病の存在に気付いたと言われています(病名は、2人の医師な名前から名付けられています)。そして約100年もの間、医療技術は凄まじい進歩を遂げてきました。しかし、オスグット・シュラッター病に対する治療、及び診断は何も変わっていません。「症状の診察をすることでオスグット・シュラッター病であることがわかり、安静にすることで完治する」というスタンスは、今も昔も変わっていないということです。つまり、オスグット・シュラッター病は怖くない病気ということなのです。ただし、怖くない病気といっても早期治療を行わなければ、最悪手術の場合もあるばかりか、後遺症を引きずることになるわけです。このオスグット・シュラッター病は、一体どのように診断されるのでしょうか。

膝を最も使うスポーツ=サッカーの例をとって、説明したいと思います。
まず気を付けていただきたいこと、それは「サッカーをプレーしていて膝が痛くなる=すべてがオスグット・シュラッター病ではない」ということです。実際サッカーをするうえで、膝に関する一番多い症状はオスグット・シュラッター病かもわかりません(子どもたちの場合)。しかし、膝の病気といっても様々あります…有痛性分裂膝蓋骨・ランナー膝・半月版損傷・靭帯損傷等々…(ごく稀に内科的疾患から膝痛になることも)(有痛性分裂膝蓋骨=オスグット・シュラッター病とよく似ているのですが、膝の皿の部分に痛みを生じる症状)

オスグット・シュラッター病の確率が高いと思われる症状として、下記の事が挙げられます。

○身長が1ヵ月に1cm以上伸びている時の膝痛(急速成長期)。
○運動をしている時だけ、膝の痛みがある(それも徐々に痛さが増している)
○脛骨粗面を押すと痛みが走るが、その他の部位は痛みを生じない(脛骨=膝から足首までを構成している骨)

これらを含めた初期診断方法でも、オスグット・シュラッター病であるかどうかが、大体わかると思います。そして後日、きちんとした病状を診断するために、治療院でレントゲン写真、あるいはMRI撮影を行います(オスグット・シュラッター病であれば、進行状況が判断できます)。また「脛骨粗面を押すと、軽い痛みが走る」のであれば、接骨院・整骨院などの治療院で「オスグット・シュラッター病再発防止ストレッチ」などの処方を受けるべきだと思います。
この症例は、サッカーに限ったことではありません。他のスポーツにも当てはまることです。指導者のみなさんは、こうした子どもたちのちょっとした動きを察する術も持っているべきだと思います。