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「オスグッド」にならないためには

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「オスグッド」は、サッカーやバスケット等、足を良く使うスポーツをする中学生や高校生に症状がよく見られる病です。

成長期の骨の柔らかい時期に激しい運動をすることにより膝の付近の筋肉の付着部分が引っ張られ膝下の骨が隆起したり、剥がれてしまったりすることにより炎症が起こります。

脛骨粗面の腫れ、脛骨粗面や膝蓋腱遠位部にとても強い痛みがあり、外見からはあまり痛くなさそうに見えなくてもでも本人からすればかなり痛いのにわかってもらえないという辛さがあります。

でもサッカーやバスケット等足を良く使うスポーツをする中学生や高校生の全ての子供が「オスグッド」になる訳ではないのです。

では、その違いは一体何なのでしょうか?

なぜ同じ年代の子どもたちが、同じ練習をしているにも関わらず、オスグッドになる子と、そうならない子に別れてしまうのでしょうか?
オスグッドになる子どもたちは、生まれつき脛骨粗面が弱い体質だったのでしょうか?

いいえ!そうではありません。

実はオスグッドになる子どもたちは、本人も無意識のうちに筋肉を硬くしてしまうような原因を持っているのです。

今まで「走る」ことの基本として教えられてきた、
“膝を高く上げて、つま先で強く地面を蹴る”という不合理なこの動作を続けていると、
ももの内・表・裏側の筋肉が硬化してしまいます。

そんな状態でサッカーボールを蹴ったり、ボールを投げたりし続けるとその間、身体はストレスにさらされ続けているのです。

そうしているうちに、とくに、もも裏の筋肉がさらに硬くなって骨盤を引っ張り「後傾」、
つまりお尻が常に後方へ引かれるような状態になります。
これがひどくなるとオスグットになります。

オスグットになる人は、筋肉の硬化や緊張を起こしやすい動き、つまり、体にとって望ましくない動きをしているのであり、その結果、一所懸命に練習をすればするほど、どんどん筋肉を硬くさせてしまっているのです。

体にとって望ましくない動きと言われて、ピンとこないかもしれませんが、例えば普段の歩き方や姿勢をチェックしてみてください。オスグッドの子の多くは、背中が丸くなり、お尻が下がってしまうような姿勢をしているのが特徴なのです。

「そうか!オスグッドの原因は、姿勢が悪いからなんだ!。
明日から良い姿勢を心がけるようにしよう!」と早とちりはしないでくださいね。

すでに筋肉が緊張を起こしている状態で「姿勢を良くしなさい!」と言われても、子どもたちはすぐに疲れて30秒もすれば悪い姿勢に戻ってしまうものです。

筋肉が体を動かしていることはご存じだと思いますが、その筋肉を動かす命令を伝えているのは神経です。

痛みをともなうマッサージやストレッチ、鍼などの治療をすればするほど、脳はそれをまるで攻撃と判断するかのように、神経や筋肉を硬く緊張させて体を守ろうとします。
痛みを伴う治療を行うと、オスグットの治りを妨げてしまうのです。

オスグット病とよく似た症状:半月板損傷

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スポーツで膝を悪くする症状は、何もオスグット病に限ったことではありません。

 

例えばスポーツをしていると、膝を深く曲げることがあります。そしてその瞬間、膝全体をひねってしまい…膝を損傷することがあります。
その症状を、半月板損傷といいます。

 

○半月板とは…
弾力性を持った軟骨の一種で、歩く/走る/ジャンプするといった行動を取る時、膝のクッションの役割を担っています(=膝を円滑に動かす)。

 

そしてふとした瞬間に膝をひねってしまった時、半月板に傷が入る/割れてしまう…それを半月板損傷といいます。

 

しかし理論的に半月板損傷になったとしても、あまり痛みを感じることはありません。

 

何故なら、半月板には痛覚がないからです。
(しかし半月板損傷患者の多くは、痛みに悩まされ続けているのが実情です。)

実は半月板が切れて関節に詰まってしまうと、膝が動かなくなるほどの激痛を伴ってしまうのです。
(この症状を、ロッキングといいます。)

もちろん激痛を伴う症状を発症するようであれば、手術をしなければなりません。

それ以外の場合、整体院/接骨院といった治療院で施術をすることで、身体全体を矯正…そして、膝を動かしても痛みを生じない状態まで治癒します。

広島岩本貴裕外野手が右膝を手術(オスグット)

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オスグット病は、10代だけに発症する症状ではありません。もちろん、20代でも発症しうる症状です。

実は2012年6月16日、広島東洋カープ:将来の4番候補として期待されている岩本貴裕外野手(25歳)が、オスグット病で膝にメスを入れていたのです。

岩本選手は昨シーズン、本塁打14本をマーク…今年、広島で最も注目されている選手でした。

しかし岩本選手によると、「3月中旬から膝に痛みを伴うようになり…その痛みは日に日に酷くなり…5月には、全力プレーをすることができなくなった。」と…

そして、膝の痛みを発症させていた骨瑞部分を取り除く手術を決断したそうです。

オスグット病が重篤になれば手術もあり得るわけですが…岩本選手の場合、かなり悪化した結果の手術だったのではないでしょうか(=我慢し続けた結果)。

無事、手術は成功しました。
(野球ができるようになるまで、数ヵ月掛かる見通しです。)

多分、今季中の1軍再昇格は難しいと思いますが、とにかくオスグット病を完治させることが岩本選手の使命だと思います。

ちなみに、ヤクルトスワローズの将来のエース:佐藤由規投手(22歳)もオスグット病に悩まされ、現在、2軍で治療に専念しています。

SKE48の松井玲奈さんもオスグットだった!

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10代の若い子が激しい運動をし続けた結果、膝に痛みを発症する症状:オスグット病は、誰もが発症しうる病気ともいえます。

例えば、爆発的な人気を誇るアイドルユニット「AKB48」の姉妹グループ/「SKE48」(名古屋を拠点としているグループ)のメンバー松井玲奈さんも、オスグット病を発症してしまった1人なのです。

「SKE48」といえば、毎日激しいダンス練習などで知られているグループでもあります。

その「SKE48」のセンターポジションを担っている松井さんは、特に激しいダンスを踊り続けなければいけない立場でした。

しかしある時、休憩時間が終わっても立ち上がれない松井さんが…さらに膝を押さえながら、嗚咽混じりの泣き声も…

後日、病院で診察を受けた結果、オスグット病と診断されたそうです。

そして松井さんは5~6月にかけて(約1ヵ月間)、休養を余儀なくされたそうです。

テレビでしか見たことがない「SKE48」のダンスですが…それは、激しいに尽きると思います。

もちろん、若くても芸能人です。そのため、人一倍の努力も必要だと思います。

しかし病気になってしまっては、意味がありません。

松井玲奈さんに限らず「SKE48」を見ていると、「無理をしない程度に頑張って!」と応援したくなります。

ちょっとした余談~オスグット病を発症したことはチャンス!~

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子どもたちは怪我を恐れて、練習に取り組んでいるわけではありません。当然、一生懸命練習を重ねて、上手くなろうと頑張っています。

しかし万が一、オスグット病を発症してしまったら「しばらく練習を休まなければならない。」「みんなから遅れをとってしまう。」…どうしても悲観的な考えを持ってしまう子どもたちが、多いのではないでしょうか。もしかすると、その考え方は間違った認識かもしれません。何故ならオスグット病を発症すること…それはある意味、「子どもたちにとってチャンス!」を提供しているかもしれないからです。

オスグット病の発症は、筋肉を使い過ぎる・筋肉疲労の蓄積といったサインを表しています。言い換えれば、「もっとうまく身体を使うことができれば、楽になれるよ。」ということを、案に教えているのかも知れないのです。
膝に体重が掛かると痛みを生じる⇒膝に力が掛からなければ、痛みを生じない⇒膝に掛かる力の負担が軽減できれば…⇒それだけ、スタミナを消費することなく練習をすることができ、筋肉の疲労度も軽減される…
例えば、プロのスポーツ選手にとっても同じことが言えます。それが「力を抜く」=「力み」です。「力み」が無くなれば、一層スムーズに動くことができ、長時間練習することも苦にならなくなると言います。

オスグット病の膝の痛みは、「間違った身体の使い方をしているのではないの?身体の柔軟性を養い、しっかりバランス感覚を保つことが出来るようになれば、痛みも軽減されるはずだよ。」と、子どもたちに問いかけているのです。つまり、オスグット病は間違った身体の動き方を注意してくれているのです。こんなに身近な指導者(監督・コーチ)は、そうそういるものではありません。

もちろん、こうした子どもたちへの問いかけは、オスグット病の痛みが軽症の場合です。強い痛みを生じているなら、接骨院/整骨院などできちんと治療してもらわなければなりません。
「オスグット病が発症してしまった。」「オスグット病の痛みがなくなった。」…どの時期でもかまいません。「オスグット病は私に(子どもたちに)、何を教えよう・何を伝えようとしていたのか?」…時間を見つけて、正面から考えてみてください。その期間こそ、症状に真正面から立ち向かうことができ、症状を発症した子どもたちにしかわからない新しい発見があるはずです。そしてスポーツに対する自分自身の有り方も、必ず変わってきます。

ちょっとした余談~幼少時の筋力トレーニングについて~

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筋力トレーニングだけを取り上げるとすれば…それは単調な動作の繰り返しに過ぎません(ダンベル・バーベルの上下運動)。ある意味、非常に地味な動作だと思います。そしてよくテレビワイドショーで、筋肉隆々の子どもたちが紹介されています。欧米では、子どもたちのボディビルダーがいるくらい…

確かに、子どもたちは自分自身の筋力トレーニングの必要性、そして意識付けを明確にしているからできるのだと思います。事実、10歳に満たない年齢でも筋肉は発達します。
しかし、子どもたちにとって必要以上に筋肉をつけることは、どうなのだろうと感じます。子どもたちをボディビルダーの道へ歩ませることは、どうなのだろうと感じます(成人のボディビルダーさえも、様々な疾患に悩まされている現実もあります)。また俗説かもしれませんが、子どもの頃から筋肉を付け過ぎると、骨の成長が抑制されるとも言われます(身長が伸びない)。
私はこう思っています…適度な筋力トレーニングは、絶対必要です。しかし、子どもの頃から筋肉隆々に育て上げることについては、大反対です(もちろん、子どもたちのボディビルダーがまかり通っているとしても)。

子どもたちにとっての筋力トレーニング…それは年齢的なものも含め、目的・動機付けで決定されると思います。極端な筋力トレーニングをしなくても、日々のスポーツで筋力は徐々に向上します。そして、それが精神的部分も含めた身体の成長にも、良い影響が出ると思います。
仮に子どもたちが競技スポーツを真剣に志しているのであれば、身体に無理のない範囲で筋力トレーニングをするだけでも、十分効果は発揮されるわけです。つまり、年齢に合った適正な筋力トレーニングの範疇であれば、まったく問題はないのです。適正以上に筋肉をつけようとすることが、怪我などの身体にも悪影響を及ぼすのです。

そして「筋力トレーニングは基礎体力を向上する上で、1つの土台に過ぎない」こと…それを指導者(監督・コーチ)は、きちんと把握する必要があります。
私は、こう考えます。「幼少時代だからこそ、偏った運動をさせないことが重要である!」…みなさんは、筋力トレーニングについてどのような考えをお持ちなのでしょうか…。

ちょっとした余談~成長痛と身長の関連性~

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子どもたちの身長が一番伸びる時期(6~16歳)、この成長期に原因不明の痛みを生じる…これが成長痛と言われているものです。実は、私も成長痛を自分自身の身体で体験した1人です。5歳の頃の身長は120cm程度だったのですが、9歳(小学3年生)なるまでに身長150cmまで伸びたのです(4年間で30cm)。その時、膝が痛くて眠れない日があったことを記憶しています(現在の身長は182cmです)。

成長痛の症状として…昼間はまったく痛みもなく、元気よく遊びまわっています。しかし夜になると、膝の当たりが急に痛み出します(大声で泣く程、痛みが激しいときもあるようです)。そして朝になると、膝の回りの痛みはまったく感じないのです(普段と通りの生活)。膝が腫れあがる・熱を持つこともありません。
私たちの記憶の中で、「成長痛の骨は、きしむ感覚がある」と脳裏に焼きついていると思います。つまりそれほど骨が伸びているため、痛みを生じると…しかし、それは世間一般に広まってしまったデマのようなものなのです(骨の伸びが、成長痛の原因ではない)。
実際、成長痛は未だにはっきりとした要因を掴めていません。それ故、様々な医学的推測が出回っています(すべて一理あると思いますが)。

・成長痛は、成長軟骨の急激な伸びが原因であると言われています。成長軟骨が急激に伸びることで、筋や靭帯が引っ張られることで痛みを生じる。
・成長期、子どもたちの筋肉/骨/各関節は、異常なほど活発に動き続きます。その発達が早すぎるため、節々に痛みを生じる。

また、成長痛は「子どもたちの精神面が深く関与しているのでは?」とも言われています。成長痛を発症した家族のアンケートを統計してみると…母親は神経質・父親はノンキ…このような結果が出ているそうです(ちなみに私の両親は真逆、父親は少し神経質・母親は至ってノンビリ…)。私の場合、成長痛はさほど続かなかったように覚えています。ただ痛がっていた時、母親が一生懸命膝の回りを擦ってくれていたことを鮮明に記憶しています。
私が感じる成長痛…身長が急激に伸びると同時に、成長痛も発症するというだけです。そして、決して悪い傾向ではないということです。みなさんは「成長痛と身長の関連性」について、どのように感じられますか!

ちょっとした余談~スポーツ障害の種類~

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スポーツ障害…スポーツを行うことで「外傷」「障害」の症状を発症することを指します。
「外傷」とは、転倒や衝突といった1回の大きな外力で怪我をすることです(捻挫・靱帯損傷・アキレス腱断裂…)。

では、スポーツ障害における「障害」はどんな意味合いを含んでいるのでしょうか。
「障害」は日々の練習を続けることで、身体の至る部分に小さな外力(=負荷)を負っていきます。きちんと練習休養日を確保すれば、溜まり続けた小さな外力を軽減することができます。しかし、エンドレス状態で練習を行えば、小さな外力⇒大きな外力に変化…そして、身体の内なる部分に「障害」を発症してしまうのです。その代表例がオスグット病であり、ランナー膝・疲労骨折・野球肘・テニス肘なのです。

スポーツ障害にとって、しっかり練習休養日を取ることは必要不可欠です。そして、もう1つ必要不可欠なことがあります。それは、練習前後のストレッチです。練習を続けている筋肉…当然、緊張状態にあります。練習前に入念なストレッチを行わなければ、練習即筋肉の緊張になります。この状態は「将来の障害」を誘うばかりでなく、「すぐ起こり得る外傷」をも引き起こし兼ねないのです。練習後のストレッチも同様です。筋肉が緊張した状態で、練習後ストレッチをしなければ筋肉疲労は蓄積するばかりです。筋肉には「緊張―緩和」が、絶対必要です。
ここで、先ほど「障害」の代表例として明記した疲労骨折・ランナー膝について、詳細に説明したいと思います。

○疲労骨折…脛骨・腓骨・中足骨等の下肢の骨や肋骨に発症しやすく、運動をしている時、特に激しい痛みを感じます(何もしていない時は、軽い痛みしか感じません)。疲労骨折は、普通の骨折と比べてはっきりした外傷を表しません。運動している時、激しい痛みを感じればすぐに治療院へ行くことをお勧めします。
○ランナー膝…ランニングなどによって発症する、膝関節周辺のスポーツ障害の総称を指します(膝の上・裏側=激痛・運動痛・圧痛・腫脹等々)。これらの痛みに対して有効なのは、冷却アイシング・ストレッチです。基本的予防法として、大腿四頭筋の強化・自分自身の足にマッチした靴選び(インソール)が有効です。

スポーツ障害にならないためにも、そしてこれからもスポーツを楽しむためにも、練習休養日とストレッチは欠かすことができないものなのです。みなさんもこれらのことを踏まえて、改めてスポーツに対する認識を深めてくださればと思います。