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オスグット病の発症傾向と発症しやすいスポーツ

オスグット病と子どもたちについて No Comments

小中学生が頻繁に行っているスポーツ…サッカー・野球・陸上競技・バスケットボール・バレーボール・バトミントン等々、激しい運動をするスポーツばかりです(もちろん、楽しさが一番です)。

でも、考えてみてください(私の子どもの場合も含めて)…
週2回、夕方から2時間練習・土日は練習試合を含めて3~4時間練習…子どもたちにとって、本当にハードな練習だと思います。子どもたちの身体は、まだ完全に出来あがっていません。そのため、いつのまにか疲労が蓄積してしまい…緩和できない状態で次回の練習を行う…そして遂には、スポーツのし過ぎで身体に異変を生じてしまう=それを、オーバーユース症候群(使い過ぎ)と言います。 オーバーユース症候群には様々な病状があります。

疲労骨折・腰椎分離症・野球肘・上腕骨外上顆炎・ジャンパー膝・腸脛靭帯炎・膝蓋靭帯炎・足底腱膜炎…そして、膝下部分の脛骨粗面の腫れによる痛みを伴うオスグット病…
オーバーユース症候群を併発する最も大きな要因の1つとして、反復運動の繰り返しが挙げられます。特にオスグット病は、その最たる症状ではないかと思います。何故なら、すべてのスポーツにおいて膝は重要な役割(運動の基幹)を担っているからです。
オスグット病の傾向として、男の子によく発症することが挙げられます(オスグット病の発症は女の子にとって稀です。もしなった場合、長期治療期間を要します)。そして、90%以上が効き足(軸足)に発症します。これは、どうしても効き足を軸に身体を動かすからです(体重も掛けやすい)。

確かに、成長が盛んな少年期にスポーツを行えば、そのスポーツ自体も上手くなります。しかし、余りにも激しすぎる運動=ジャンプ・走り込み等々をすれば、自ずと身体が悲鳴を上げてきます。最近では、子どもたちの不調を聞き入れるようになったと言われていますが…熱心な保護者・指導者であればあるほど、子どもたちの不調を聞き逃す場合もあるようで…(子どもたちも自分から「ここが痛いので休ませてください」と言いづらい部分があるようです)
スポーツを行うことは、本当に楽しいことです。そして、楽しさとはスポーツが上達することも挙げられますが、何といっても身体を壊さないことが大前提にあります。

オスグット病を含めオーバーユース症候群を発症しない…それこそが、子どもたちのスポーツと言えるのではないでしょうか。(私自身の場合、膝に水が溜まる・骨髄炎・肉離れ…スポーツによって、様々な症状を患いました。だからこそ…)

オスグット病の歴史、そして診断方法

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オスグット・シュラッター病…この病気が始めて世間に公表されたのが1903年、今から100年以上も前のことです。ちょうど医療としてレントゲン写真が使われ始め、様々な骨の症状を研究していている最中、オスグット・シュラッター病の存在に気付いたと言われています(病名は、2人の医師な名前から名付けられています)。そして約100年もの間、医療技術は凄まじい進歩を遂げてきました。しかし、オスグット・シュラッター病に対する治療、及び診断は何も変わっていません。「症状の診察をすることでオスグット・シュラッター病であることがわかり、安静にすることで完治する」というスタンスは、今も昔も変わっていないということです。つまり、オスグット・シュラッター病は怖くない病気ということなのです。ただし、怖くない病気といっても早期治療を行わなければ、最悪手術の場合もあるばかりか、後遺症を引きずることになるわけです。このオスグット・シュラッター病は、一体どのように診断されるのでしょうか。

膝を最も使うスポーツ=サッカーの例をとって、説明したいと思います。
まず気を付けていただきたいこと、それは「サッカーをプレーしていて膝が痛くなる=すべてがオスグット・シュラッター病ではない」ということです。実際サッカーをするうえで、膝に関する一番多い症状はオスグット・シュラッター病かもわかりません(子どもたちの場合)。しかし、膝の病気といっても様々あります…有痛性分裂膝蓋骨・ランナー膝・半月版損傷・靭帯損傷等々…(ごく稀に内科的疾患から膝痛になることも)(有痛性分裂膝蓋骨=オスグット・シュラッター病とよく似ているのですが、膝の皿の部分に痛みを生じる症状)

オスグット・シュラッター病の確率が高いと思われる症状として、下記の事が挙げられます。

○身長が1ヵ月に1cm以上伸びている時の膝痛(急速成長期)。
○運動をしている時だけ、膝の痛みがある(それも徐々に痛さが増している)
○脛骨粗面を押すと痛みが走るが、その他の部位は痛みを生じない(脛骨=膝から足首までを構成している骨)

これらを含めた初期診断方法でも、オスグット・シュラッター病であるかどうかが、大体わかると思います。そして後日、きちんとした病状を診断するために、治療院でレントゲン写真、あるいはMRI撮影を行います(オスグット・シュラッター病であれば、進行状況が判断できます)。また「脛骨粗面を押すと、軽い痛みが走る」のであれば、接骨院・整骨院などの治療院で「オスグット・シュラッター病再発防止ストレッチ」などの処方を受けるべきだと思います。
この症例は、サッカーに限ったことではありません。他のスポーツにも当てはまることです。指導者のみなさんは、こうした子どもたちのちょっとした動きを察する術も持っているべきだと思います。

オスグット病の治療期間

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オスグット病は、ある意味スポーツ障害の代表格とも言えるかもしれません。何故なら、スポーツ大好きな10~16歳ぐらいの子どもたちに発症する病気なのですから…
オスグット病を発症した子どもたちに言えること…それは一定期間、大好きなスポーツを完全休養することです。

例えば「ジャンプやダッシュした時、多少膝に痛みが走るけど何とか頑張れる!」「自分の100%全力を出すことは出来ないけど、少々膝に痛みはあるけど70~80%力を出せるから大丈夫!」…確かに子どもたちにとって最善の方法は、練習しながら治療をし治していく…それが、ベストであることは言うまでもありません。しかし、オスグット病はそういうわけにはいかないのです。膝に痛みを抱える症状であるため、その部位をかばいながら練習することで、結局、他の部位にも痛みを発症する恐れがあるからです(外観上だけでは、「どれぐらい痛みがあるのか」本人しかわからないこともネックになっています)。

仮に練習を続けながら痛みを抑える等々、一時的に痛みを和らげることができたとしても、完全に治すことは不可能なのです。ましてや痛みを抑えて練習をすることで、症状が長期化・益々悪化すれば…そうです!一番困るのは、子どもたち自身なのです。

そしてオスグット病が悪化することで、子どもたちの精神も微妙に変化していきます。
「私の治療は、一体いつまでかかるのだろう?」「いつになれば思い切り練習することができるのだろう?」…つまり、知らず知らずのうち精神的ストレスが溜まってくるのです。精神的ストレスが溜まっていけば…筋肉の緊張も高まり…結局、余計に治療を長引かせる結果を伴ってしまいます。そして最悪の場合…それは軟骨の剥離骨折です。絶対安静はもちろんのこと、長期間運動を中止しなければなりません。

中途半端な運動制限をするくらいなら、短期間完全休養…治療に専念すること!それがオスグット病という膝の痛みから解放され、練習に復帰できる一番の近道です。
ちなみに、オスグット病の治療法の一つとして大腿四頭筋のストレッチが有効です(ある程度、痛みが軽減されてから)。ストレッチを行うことで、膝はもとより身体全体の柔軟性を緩和していきます(接骨院・整骨院の治療等々)。

もう一度、言います。オスグット病の治療期間…早期に完全休養することが、オスグット病を短期間で治癒できるのです!

オスグット病の原因

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子どもたちが、毎日激しい運動・スポーツをし続けていると、絶えず膝回りの筋肉の付着部分が引っ張られます(伸縮)。そして膝に負荷が掛かり過ぎることで、膝下の骨が隆起・脛骨粗面が剥がれてしまう…これが、オスグット病です。

オスグット病の原因は、成長痛だと言う医師もいます(これについては、様々な意見があります)。仮にオスグット病=成長痛であるならば、小学生~中学生にかけて、子どもたち全員がオスグット病を発症することになります。しかし実際、オスグット病は発症する子どもと発症しない子どもがいます(オスグット病発症は、ごく一部の子どもたち)。そういう観点からみると、オスグット病=成長痛と考えることは難しいような気がします。(ただしレントゲン撮影してみると、はっきりと成長軟骨部分が剥離している場合もありますが…)

オスグット病の病状は、子どもたちによって千差万別です。膝下(お皿)部分を押した時痛みを感じる・激しく運動した後だけ痛みを感じる・歩くという行為自体に痛みを感じる(歩行困難)等々…(普通、安静を保つことで症状は和らぎますが、身体の回復力が低下している場合、長期間痛みを伴うこともあります)そして、基本的にオスグット病は男の子になりやすく、女の子はなりにくいと言われています(女の子がオスグット病を発症した場合、回復に時間を要する傾向にあります)。

また、オスグット病を発症した子どもたちの身体を触診してみると、ある症状に気付きます。膝下部分だけが固いばかりでなく、身体の様々な関節部分=股関節・腰関節・肘関節・手首足首も固くなっています。つまり、身体全体の柔軟性が欠如していると言えるのです。

身体を鍛えることは、子どもたちの成長過程の中で非常に重要なポジションを持っています。しかし運動(=身体の緊張)をするばかりではいけないのです。つまり、身体の緊張⇒弛緩も必要なのです。身体が未発達な段階で運動(身体の緊張)だけを行うから、オスグット病に拘わらず様々な病状を発症してしまう訳です。そうならないためにも運動をする前・した後には、必ず筋肉の弛緩が必要なのです(=ストレッチ)。ストレッチをすること=柔軟な筋肉と関節…そうすれば、怪我もしにくくなり疲労も軽減されます。

オスグット病は、決して怖い病気ではありません。「おかしいなぁ?」と思ったら、接骨院・整骨院等々で診察を受ける…そして「みんなから遅れてしまう」と思うのではなく、しっかり安静を保つことが重要なのです。

オスグット病とは

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みなさんは、オスグット病という病気をご存知でしょうか。多分、あまり病名自体はあまり知られていないと思います。
オスグット病…正式名称は「オスグット・シュラッター病(症候群)」と言います。
1903年、ボストンの整形外科医であったロバート・ベイリー・オスグット・チューリッヒの外科医カール・シュラッターが、時を同じく別々に発表したことから、名付け慣れた病名なのです。一般的に、オスグット・シュラッター病は小学校高学年から中学生…特に、運動することが大好きなスポーツ少年少女たちに発症する病気です。実は子どもの頃、私自身も経験があるのですが、膝の下部分(お皿)が膨れてしまい、走る・踏ん張る・ジャンプするといった行動をする際、かなり強い痛みを生じていました(オスグット・シュラッター病だったのかどうかは、わかりませんが)。

よく「成長期になると膝がきしむ」と言いますが、オスグット・シュラッター病は異質の症状だと言えます。オスグット・シュラッター病の問題点は大腿四頭筋の前面部分、つまり太腿の筋肉緊張から痛みが発症することです。

大腿四頭筋は4つの筋肉群から構成されています…大腿直筋・外側広筋・中間広筋・内側広筋…
この4つの筋肉群は、すべて膝蓋骨(しつがいこつ)に付着しています。また膝蓋靭帯(しつがいじんたい)を通して、脛骨粗面(けいこつ)に付着しています。(膝蓋骨=三角形の骨で、大腿骨に繋がっています。膝の前面を保護していることから、膝の皿とも呼ばれています)。つまり「膝の下部分(お皿)が膨らむ」=脛骨粗面が膨らんでしまうことを意味します。

では何故、脛骨粗面が膨らむとちょっとした運動をする時でも、強い痛みを生じるようになるのでしょう。

大腿四頭筋は膝の柔軟性=膝を伸縮させる筋肉です。もちろん、思い切りジャンプする・ダッシュする時に使われる筋肉です。また、逆の動きとしてブレーキ・クッション(急に動きを止める等々)の役割も担っています。また大腿四頭筋は、人間の歩行姿勢=立っている状態の時、膝が曲がらないように伸ばす役割も果たしています。このように大腿四頭筋はスポーツに限らず日常生活において、常に働き続けている筋肉だと言えます。その大腿四頭筋が付着している脛骨粗面…当然、負担も大きくなります。そして筋肉が収縮する時(膝を急激に強く曲げる)、膝蓋靭帯が引っ張られる=脛骨粗面に過負荷がかかる…つまり、過負荷が痛みに繋がってしまうのです。これが、オスグット・シュラッター病なのです。

膝を曲げると痛い・正座が出来ない・走る/ジャンプが出来ない・体重をかけるだけで痛い・階段の昇降が出来ない・膝を触るだけで激痛が走る等々…オスグット・シュラッター病が酷くなると、松葉杖をしないと歩けなくなる場合も…みなさんも子どもの頃を思い出してみてください。膝のお皿部分が、痛くなったことがありませんでしたか。